「好きを仕事」にした人

好きなことを仕事にするために、まずは“自分がどう生きて行きたいのか”を考えよう!~中村愛さんインタビュー~

「好きなことだけを仕事に」事業を15年間されている中村愛さん。

ヨガスタジオを約10年にわたり経営され、その後はセミナー業、コンサル業、物販業など次々と事業を展開しています。

その中村さんの、これまでの仕事のお話や、好きなことを仕事にしていくためには何が必要なのかを、インタビューさせていただきました。

佐藤
佐藤
中村さんは中学をご卒業後から、ずっと自立した生活を送られていると聞きました。
中村さん
中村さん
そうですね。父の他界などにより、祖母の家で中学を卒業するまで暮らしていましたが、その後は兄と一緒に家を出て、福岡で働いていました。

居酒屋でアルバイトをしたり、成人してからは高級クラブで働いたりしました。

佐藤
佐藤
その後、ヨガスタジオの開業をされたのですね。どのようなきっかけで開業されたのでしょうか?
中村さん
中村さん
子供ができて結婚したのですが、出産前に別居状態となりました。

「これからどうやっていけばいいのか・・・」とメンタル的にも落ちていて、その時にふと入った本屋で、ヨガの本をたまたま見つけました。ヨガブームの少し前くらいですね。

それで「よし、試しにやってみよう」と思ってヨガスタジオに通いだしたところ、ものすごくハマって好きになってしまって。

それがきっかけです。インストラクターコースも受けました。

佐藤
佐藤
まさに「好きなことだけを仕事に」ですね。お店をご自身で持つようになったのは?
中村さん
中村さん
通っていたヨガスタジオの先生がたまたま、ヨガの店舗とリフレクソロジー(足のマッサージケア)の2店舗を経営していまして、リフレクソロジーの店舗の売上が低迷していたんですね。

そこから「誰か買わないか」という話が出て、その頃は貯金が1円もなかったのですが、「買います!」と申し出ました(笑)。

佐藤
佐藤
え?お金が1円もないけど、買ってしまう?(笑)どうやって買ったんですか??
中村さん
中村さん
購入後、3ヶ月くらいは店舗契約の名義変更ができなかったので、名義上は店舗の契約者は前オーナーで、その前オーナーに賃金を払う形だったんです。

経営の権利金とか、店舗契約の更新料は3か月後に支払ってくれれば良い、という猶予が与えられたんですね。

それで、「それなら何とかなるはず!」と無鉄砲に考えて、1円もない状態でお店を買い取りました。

佐藤
佐藤
でもそれって、3ヶ月で低迷していた売上を立て直さなくてはならないですよね!怖くはなかったんですか?
中村さん
中村さん
もう、それは怖かったですし、不安だらけでした。

不安だから逆に立ち止まれない、という感じでした。

SNSのなかった時代なので、泣きながらポスティングとかしていましたね。

佐藤
佐藤
休む時間もなかったのでは?
中村さん
中村さん
ヨガスタジオとリフレクソロジーのお店を同時に運営していましたが、ヨガスタジオをバンバン回しながら、同時進行でリフレクソロジーの技術を学び、さらに施術もしていく、

そんなふうに、息をつく暇もなく働いていました。

佐藤
佐藤
結果的に、3ヶ月での立て直しはできたのでしょうか?
中村さん
中村さん
もうとにかく、がむしゃらにやって、そこでヨガブームが到来するという幸運もあって、支払期限の4日前に、何とかお金が全部、用意できました。
佐藤
佐藤
それはすごい!とてつもない体験でしたね。
中村さん
中村さん
自分で事業を15年やっていますが、あの時がやはり一番苦労しましたね。

頼れる身内がいなかったのですが、逆に、いたら泣きついて終わっていたかもしれないですね。

佐藤
佐藤
インタビューの出だしから、すごいインパクトのお話でした!その後は、11年間ヨガスタジオを経営され、セミナー事業、個人コンサル事業へと事業を展開されていますが、どのような流れだったのでしょうか?
中村さん
中村さん
ヨガは〝癒し〟を得るためのものでもあるので、私はお客様の心を癒すようなトークをしていました。それを聞きに来るお客様も多かったんですね。

そのうちに、個人的なお悩みなどを相談されることが増えてきましたので、それを一つのメニューとして、料金をいただくようにしました。

佐藤
佐藤
個人セッションのような形ですね。
中村さん
中村さん
はい。それがさらに口コミで広がり、ヨガをやっていないお客様も増えてきて、徐々に一つのビジネス・事業となっていきました。
佐藤
佐藤
なぜそんなに相談が増えていったのでしょうか?
中村さん
中村さん
今の時代、何らかのしがらみに捉われていたり、型にはまって抜け出せなくなってしまったりする方はとても多いですが、その方々からは、私がとても自由に生きているように見えたみたいで、だんだんと

「中村さんのような生き方を教えて欲しい」

となっていきました。

それで、個人セッションはどうしても一対一になってしまうので、じゃあセミナー形式でやってみよう、となり、セミナー事業にも発展していきました。

ちょうどセミナー講師をやってみたい気持ちがあった頃でもあり、一時はずっとセミナーを中心にやっていましたね。

佐藤
佐藤
ヨガスタジオも続けられたのですか?
中村さん
中村さん
ヨガスタジオは思い切って、手放したんです。

ヨガをやっていると様々な感覚が変わっていくのですが、私はその中で「自由な生き方」を求めるようになりました。

そうすると、ヨガスタジオという「店舗」はどうしても場所に縛られるんですね。

インストラクターを雇ってレッスンを任せてはいましたが、

「もっと自由を求めていきたい」

という気持ちが高まり、最終的に手放す決断をしました。

佐藤
佐藤
それが今の仕事にもつながっている、という感じでしょうか?
中村さん
中村さん
そうですね。そこからロイヤルカスタマー(意:強いリピーター、ファン)になってくださった方たちの会員専用HPを運営するようになって、10年くらいになりますね。

そこに入っていただく事で、その方たちしか得られない価値を提供しています。

今は、その会員さんたちに商品を提供したり、セミナーを企画したりすると、8~9割くらいの方が反応してくれて、それが自分のビジネスとなっています。

佐藤
佐藤
ロイヤルカスタマーの方は何名くらいいらっしゃるのでしょうか?男女比は?
中村さん
中村さん
今は100名弱くらいですね。以前はもっといましたが、しっかりと反応してくれる方だけを厳選しています。男女比は、ほとんど、9割くらいが女性です。
佐藤
佐藤
月額制のオンラインサロンみたいなイメージでしょうか?
中村さん
中村さん
オンラインサロンではないですね。月額制ですと、毎月決められたことをやる必要があり、それは性格上できないので、やめました。

やりたいと思った時に、やりたいこと、お客様に役立つことをやっています。

佐藤
佐藤
ロイヤルカスタマーがいると、すごく強いビジネスが作れますね。
中村さん
中村さん
何年間もかけて培い、自分の性格、好きな生き方、理想の働き方も見極めて、すごく考えてきた結果、作り上げた形です。

なので、お客様との信頼関係も強いですし、私自身が「好きなことを仕事に」する上で、とても重要な位置づけとなっています。

佐藤
佐藤
今のビジネスに課題はありますか?
中村さん
中村さん
もちろん課題もありまして、例えば、ロイヤルカスタマーだけではなく、同じ時間でもっと多くの人に発信していくこともできないといけないです。

なので、開かれた空間であるSNSでの発信も、重要な仕事と考えて今、力を入れて取り組んでいます。

佐藤
佐藤
中村さんって、ビジネスを学んだメンターなどはいらっしゃるのでしょうか?
中村さん
中村さん
特にはいないのですが、強いて言うと、高級クラブに勤めていた時、お客様は会社の創業者の方だったり、複数会社を持つ経営者の方だったりしたんですね。

それで私は、その方々の自伝にすごく興味があって、食い入るようにお話を聞いていたんです。

その時の話の何が、と具体的には言い表せないのですが、何かが自分の中に浸透して、バックボーンとなっているかもしれないですね。

もちろん、ビジネスや会社の規模とか、いらっしゃる世界とかは全然違うのですが、クラブに勤めた8年間はすごく濃厚な経験でした。

佐藤
佐藤
中村さんはビジネスの規模とか売上の拡大はどのように考えていますか?
中村さん
中村さん
ヨガスタジオを始めた当初は、その創業者・経営者の方々みたいに、店舗は拡大、人員は増やす、売上規模も大きくと、そうでなくてはいけないと思い込んでいました。

ですが、1周して自分がどういうスタイルで生きていきたいのか見えてきて、私はできるだけ効率的に働き、自由な時間、場所にも捉われず生きていくのが良いと考えています。

1人目の子供の時に仕事ばかりしてたので、今は3歳児の娘との時間を優先的に過ごしたいです。

佐藤
佐藤
なるほどですね。では今の中村さんの「好きなこと」「やりたいこと」とは、何でしょうか?
中村さん
中村さん
セミナーを開催するのも好きですし、自分の作りたい商品を作って販売することも好きですね。

「その時に興味のあること、やりたいこと」をやるのが好き、という感じでしょうか。

それで言うと今は、「女性の自立」をテーマとしたビジネスをやってみたいです。

今まで個人セッションでずっと女性の悩みに寄り添ってきましたが、

「経済力がないので離婚ができない」

などと、人生に制限がかかってしまっている女性がとても多いです。

経済的・精神的な自立ができれば、そんなことに悩む必要もないと思うので、そういう意味ですごくやりたいテーマですね。

佐藤
佐藤
「好き」を仕事にしてくためのポイントなどはありますか?
中村さん
中村さん
せっかく好きなことを仕事にしていても、時間がない、とか、経済的に問題あり、だと意味がないと思うんですね。

なので、まずは自分の働き方の軸を見つけていく、自分がどう生きて行きたいのかを見つけていくことが必要だと思います。

ビジネスをするとお客様がいるわけですが、お客様に自分を合わせるだけではなく、お客様にもこちらに合わせていただく、というような関係の構築も大切です。

佐藤
佐藤
中村さんは何かやりたいと思ったらすぐに行動するタイプですか?やりたいと思っても行動に移せない、という方は多いです。
中村さん
中村さん
すぐ行動しますね。体が勝手に動いている感じです(笑)。

「行動できない」というのは、そのままの意味で「行動できない」というより、

「知らないことをやる最初の1歩が怖い」という感じだと思うんですね。

なので例えば、

「毎朝、通勤する電車を今日は変えてみる」

といった具合に、ほんの少しだけ未知のことをやってみたり、1歩ではなく「0.1歩」だけやってみたりと、

自分慣れさせていくことで、いつの間にか行動できる自分になるのではと考えています。

佐藤
佐藤
とても参考になるお話をありがとうございました!

【中村愛さん】
Naritai HP(Okima Company)

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