「好きを仕事」にした人

「結局は『いかに自分がワクワクしているか』だと気付きました」~浅野舞子さんインタビュー~

若くしてネイルサロン経営者となり、大人気店へと成長させた手腕を持つ浅野舞子さん。

ただし、そこまでの道のりは決して簡単ではなく、数々の苦労と試行錯誤を重ねた末にたどり着いたものでした。

浅野さんご自身の「好きなこと」もようやく最近になって見えてきたということでしたので、そこに至るまでの過程や今後の展望などをインタビューさせていただきました。

佐藤
佐藤
浅野さんはかなりお若くしてネイルサロンを開業されたのですよね?
浅野さん
浅野さん
そうですね。25歳の時にAMANDA WEST WOODSというネイルサロンを開業しました。
佐藤
佐藤
それまでどこかにお勤めだったのでしょうか?
浅野さん
浅野さん
それまで勤めた経験というのが特になくて。

実は私、中学校を途中で辞めて、高校受験もしていないんです。

辞めた後は、半フリーター半ニートみたいな感じで、18歳くらいまでフラフラとしていました(笑)

佐藤
佐藤
そうなんですね! その後はどうされたのですか?
浅野さん
浅野さん
18歳の時に、高校に行く意味に気づいて・・・

それは「勉強するため」ではなくて、「自分の人生の選択肢を広めるため」だったのですが・・・

それを親に相談したところ、「1か月で良いので、集団生活をしてみなさい」と言われて、学校に行かせてもらいました。

佐藤
佐藤
そういった中で、ネイルとの出会いがあったのでしょうか?
浅野さん
浅野さん
はい。ただ、ネイルが好き、というわけでは全然なくて、マイブームみたいなものでした。

当時は、これが好きというのもなかったし、趣味も特にありませんでした。

マイブームみたいなものがあって、これをやってみたいと思ったらガッツリやってみて、ある程度、自分の中で底が見えてきた段階で飽きて次、という繰り返しで。

だから、今思えば何でも良かったんだと思います。

その時にネイルの学校に行かせてもらいました。

佐藤
佐藤
ネイルが好き、ということではなかったんですね。
浅野さん
浅野さん
ははい、それで父親に、

「みんな学校を卒業して就職していく。私は就職したくないし、好きなこともないし、夢もない」

という話をしたら、「とりあえずお金を貯めてみなさい」と言われて、そこからアルバイトをものすごく頑張って、300万円を貯めました。

それで、「お金、貯まったよ」と22、23歳くらいの時に父に言いました。

佐藤
佐藤
お父様からは何と?
浅野さん
浅野さん
「1ミリくらい我慢できるようになっているのと、お金というアイテムがあるので、それで好きなことしなさい」

と言われて、海外に1年間、語学留学に行きました。

その後、なぜか自分でレストランを作って「シェフ」になりたいと思って。それで帰ってきて東京に行って、何か月間か飲食店でジャガイモを剥いていました(笑)。

でもやっぱりこれは好きじゃないな、と(笑)。

佐藤
佐藤
色々と模索していたんですね。
浅野さん
浅野さん
その時の行動の共通点は、とにかく「やりたいことを探す」。ずっとそうでした。

自分がやりたいことを高飛車な感じで探していましたけど、

まずはとりあえずできることをやってみよう、

と思って、東京から帰ってきて、1ヶ月後にAMANDA WEST WOODSをオープンしました。

佐藤
佐藤
その後、ネイルサロンを今まで継続されていますが、「好きなこと」に変化があったのでしょうか?
浅野さん
浅野さん
開業当時は、ネイルというよりも、自分の良いと思うものを空間として作ることが好きで、

今は、それも含めた「お店の経営」がとても好きなんです。

佐藤
佐藤
ネイリストというプレイヤーというよりは、お店自体を運営し、動かしていく経営そのもの、ということでしょうか?
浅野さん
浅野さん
はい、それがここ最近で、ようやくわかってきました。

自分が良いと思うこと、それをこういう空間で、こういう人たちがいて、こういうサービスがあって、こうしてこうして・・・みたいに考えていくことです。

それを考えているのも好きですし、そこに必要なサービスを組み立てて、必要な人をアサインしてお店を創っていく。

そういう、ちょっとゲームっぽい感じが好きです。

仕組みだけでなく、それを動かしていく、それが希少性のあるものであればさらに嬉しい、楽しい。

それが調和して良い感じになって、そこからお客様の価値観が変わったり、幸福度が上がったり、そんな状態を作っていきたいといつも考えています。

佐藤
佐藤
お客様にも良い影響が出る、と。
浅野さん
浅野さん
お店のある高岡市(富山県)はある意味、保守的なところもあって、ネイルは「新しい価値観」でもあります。

でも、それを提供することによってお客様がワクワクし、ハッピーな気分になって、家に帰って旦那さんに優しくなったりとか、そこから新しいものが生まれたりとか。

そうなるとネイル代の月1万円というのは、それを節約するよりも価値が高くなります。

そういう風に思ってもらえるお客様が増えたらいいなと思っています。

佐藤
佐藤
勉強不足なのですが、ネイル代の月1万円って高い方なのでしょうか?
浅野さん
浅野さん
どうですかね?でも、平均単価は一万円以上頂けています。

それでも、大体1か月先まで予約を頂いている状態が続いています。本当にありがたいです。

佐藤
佐藤
それはすごいですね!
浅野さん
浅野さん
社員とみんなでやれていることが、嬉しいです。
佐藤
佐藤
でも、中学を途中で辞められたのもあって、何か勉強した結果、経営のスキルが身に付いた、という感じでもないですよね?
浅野さん
浅野さん
そうです、ベースとなるものが全然ないので、どこに点を打って良いかわからない。

だから、色んな所に点を打ちまくる。
色んなパターンを考えて、それを統合する。

そんな感じでやっています。

佐藤
佐藤
0から1を生み出している感じですね。
浅野さん
浅野さん
最近、ビジネス書を読むようになったのですが、自分が考えてきたこと、やってきたことを答え合わせしていて、「やっぱりそうだったんだ!」と思ったりしています。
佐藤
佐藤
普通は逆ですよね、すごいなあ。お店の強みは何なのでしょう?
浅野さん
浅野さん
チーム力ですね。

すごい良いメンバー達が揃っていて、チーム力がとても高いです。

私は「人にではなくお店にお客さんをつけたい」という考えがあるんですね。

それには個々のクオリティも必要ですし、チームプレイもできる良いとこ取りをしたお店でないとダメなんです。

それを全員でやれることが目標です。

佐藤
佐藤
チームマネジメントも好きなことなんですね。
浅野さん
浅野さん
自分が良いと思うものを、それ以上のクオリティでスタッフにも提供して欲しいのですが、それってなかなか難しいです。

でも、そこがハマった時、スタッフもうれしそうで、わたしも嬉しくて楽しいです。

自分が考えて、こうしようと思ったことは、だいたいハマっています。

その意味で、危機察知能力が高いかもしれないです。
人も、ブランディングも、全て、常に修正、修正で。

佐藤
佐藤
浅野さんからは、繊細さも強さも感じますが、どんな性格なんでしょうか?
浅野さん
浅野さん
「これ、めっちゃいい!」と押し付けがましいところもありますね(笑)。

「これができたら絶対楽しいから、自分の感情は置いておいて、みんなとりあえず動いてよ!」みたいな。

でも、スタッフにすごく甘えたりもします。
「できない・・・。」、「困った・・・。」という感じで。

私は自分がやりたいことに気持ちがグッといっちゃうので、スタッフに見守られている感が、すごいです。

佐藤
佐藤
スタッフに対して厳しいところもあるのですか?
浅野さん
浅野さん
すごくキツいと思います。
「それ必要?」みたいな。

面接時はみんな「楽しそうだけど、厳しそう」というイメージみたいです。

だから、技術的にも、精神的にも「何かを変えたい」「変わりたい」という人が入ってきているのかな。

それが何なのか、どうすれば良いのかを気づいていて、それぞれが自信を持ってくれたら嬉しいです。

佐藤
佐藤
具体的には?
浅野さん
浅野さん
みんなそれぞれ、どこかにストッパーがあったり。
自分でそれを気付いていない時ってありません?

「これに対してはこの行動が最短だと思うから、これをやってみよう!」と。

それをやる子もやらない子もいるのですが、やった人には、私はその先に、必ず「成功体験」を準備しておきます。

「怖い」、「やっても仕方ないよね」、「無意味」と思う思考から、ずっとそこで立ち止まっていたわけで。

それに対しては、

「最短ルートで、これやろう!それから考えよう!」

って伝えるけど、それぞれ、必要なことがあって、こっちに行ってから、こっちに行かないといけない子とか。

それぞれに合った道筋を作ります。

自分で考えて

「これをやって、あ、そうするとこうなるんだ!」

っていう体験を積み重ねていくことが、結果関係なく、自分自身が納得することに必要だと思います。

成功体験を積み重ね、本人がやることが気持ち良くなっていっていくと、勝手に動き出していくようになってくれると思います。

そうやって、その人にとっての大事なことを「伝えていく」というのも私の好きなことの一つです。

佐藤
佐藤
マネジメントのスキルもすごいですね。やっぱりそれも、どこかで勉強した、というよりも“センス”でやっているような感じでしょうか?
浅野さん
浅野さん
感覚だと思いますね。

でも、感覚だけでは伝えられないこともわかったから、今はしっかりとした理論を取り入れたいと思って本とかを読むようになったので、そこに肉付けされているような感じです。

なので最近は、より早口になりました(笑)

佐藤
佐藤
ネイルサロン経営で成功されている浅野さんですが、これからの展望などはありますか?2店舗目を作ったりとか?
浅野さん
浅野さん
それもありますね。やりたいです。
その時に良いと思ったことをやっていきたいです。
佐藤
佐藤
浅野さんは「やろう」と決めたらすぐに動くタイプですか?
浅野さん
浅野さん
やろうと思ったら絶対にすぐやります。
後先はあまり考えない
です。

でも心配性です。なのに恐怖心が薄いです。

すごく素敵なマンションがあって、引っ越しを決めました。

佐藤
佐藤
マンションですか?
浅野さん
浅野さん
同じとこにいると良くない気がして。
いつも突発的に行動します。

でも、スタッフたちにも、「こんなのでもいいんだよ」「楽しくやっていけるんだよ」っていう想いを伝えたくて、そういう気持ちもありました。

なにも不安は感じることはないのに、なぜかみんな不安を感じてることが多いです。

佐藤
佐藤
お金を使うことに対する恐怖心とかってありますか?
浅野さん
浅野さん
私は、経験と興奮することに対して時間とお金を使いたいので、

「お金は貯めるよりも、使った方がいい」

と思っています。

お金は必要だけど、お金に執着はありません。
実際、今いくら持っているかわかってないです。

ローンのために生きているわけじゃないし、お金を気にする生き方はコスパが悪いです。だからお金は貯まりません。(笑)

佐藤
佐藤
行動やお金に対するブレーキが強い人は多いですが、それではもったいない、ということですよね?
浅野さん
浅野さん
やってない人の話はあまり面白くないです。

変に賢いよりも、「バカ」でいたいです。

でも、一人でできることは限られるから、いかに一緒にいたい人、一緒にいて面白い人になるか、が大事だと思うのですが、

それって結局は「いかに自分がワクワクしているか」なんだ!と気付きました。

たくさんの人に助けられて生きていると毎日実感します。だからその先に私欲ではなく、自分もその人の為になること!は、毎日意識しています。

佐藤
佐藤
大事にしている考えなどはありますか?
浅野さん
浅野さん
私は経営者としての道を進んでいますが、つくづく、

「みんなが私を経営者にしてくれている」

と思うことが多いです。

なので、スタッフやお客様、関わる人たちへの感謝、リスペクトの気持ちは尽きないですし、その考えをこれからも大事にしていきたいと思います。

佐藤
佐藤
今日はお忙しい中ありがとうございました!

■浅野舞子さんの経営するお店

Amanda(アマンダ)

住所/富山県高岡市高陵町6-29
TEL/0766-732490

OPEN/10:00-20:00
CLOSE/水曜日

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