趣味の「歴史」を副業テーマにしてビジネスを展開されている原 一六四さん。
「歴史がビジネスになるの?」と思われる方もいるかと思いますが、実際に原さんはこのテーマで副業をされている上に、なんと出版まで決まられているのです!
そんな原 一六四さんにインタビューをさせていただきましたので、ぜひ「好きなことを仕事にしていく」ための参考にして下さい。
親に旅行に連れて行ってもらう時も、城とか古戦場とか、そういう所に行きたいと言っていて。
今思うとちょっと変わっている子でしたね(笑)
小さい頃とかは、戦国時代が好きで織田信長などの本を読んだりしていたのですが、だんだんと興味がメジャーじゃない所へ行きまして。
もっとみんなが知らないような歴史が知りたいと思って、独自に調べ始めたんですね。
すごい田舎町だったのですが、調べたら、あるマイナーな武将が武田信玄と戦った記録があって、
「自分の故郷にこんな歴史があったんだ。」
「とても面白いから、こういうのをもっと後世に残していきたい。」
と思うようになりました。
それで、どうやったら残していけるか、と色々考えたのですが、私の地元は人形劇が盛んでして。
それに小さい頃テレビで三国志とか平家物語とかの人形劇をよく見ていたんです。
それを思い出して、
「人形劇を作って残そう」
と考えたんです。
ところが、その人形劇を制作している会社に内容を説明して、見積依頼をしたところ、
返ってきた金額が4,000万円だったんです(笑)。
そのうちに、
「起業すれば、会社にすればできるんじゃないか。」
と思うようになりました。
それが歴史での副業ビジネスを始めるきっかけになりました。
「そんなの無理だよ」
と言われてしまいまして。
とてもうちひしがれていたのですが、ある時、今、私がビジネスを教わっている先生の存在を知って、恐る恐る相談したら、
「できるかもしれないよ」と言われたんです。それが2017年でしたね。
とか、
「お茶会での城跡動画の鑑賞」
とか、そのようなイベントを企画・運営しています。
有名なお城ではなくて、マイナーな城跡、その歴史を調べてみんなで共有しよう、
というような内容ですね。
本業の仕事もあったりで、そんなには開催できていないのですが、
皆さんからは、そういう機会があればぜひ声をかけてください、という声はいただいています。
でも、城跡のある所には、必ず色々な歴史があるんです。そこに光を当てたい。
そして、それに興味を持っていただける人も多くいます。
ただほとんどの人は、どうやってそこに行ったらいいかわからないので、城跡の動画を撮ってYouTubeにアップしたり、ブログやメルマガに書いたりしています。
その方は、城跡が大好きだったけど体を壊して行けなくなって、とても残念に思っていたところ、私の動画を見つけたとのことでした。
「自分が行った気になれて、とても元気をもらえた」
と言っていただけました。
自分の活動が誰かに勇気を与えることができて、すごく嬉しかったので、
「続けていくべきだ」
と使命感を持ちましたね。
城跡や歴史を楽しめるサロンですね。
月額3000円の会費をいただいて、運営しています。
そこに「ご当地武将」がいて、こういう行動をしたんだよ、この城の歴史の中にこの武将がいたよ、
というのを調べてコンテンツ配信をして楽しんでいただいています。
「愛すべき残念な武将」
というのがあって、これは、武将の失敗話を面白く載せていたり、
源義経と弁慶は五条大橋で出会ったと言われているけど、実は橋で会ってないんだよとか、
謀反・裏切り・反逆から見る戦国史とかを書いたりしているのですが、
これを読んだ先生が、1回出版社に話をしてみたらどうかと引き合わせてくれました。
そして出版社の方に話をしてみたところ、
「これは面白い」
となって、出版が決まったんです。
「何か特化したものを」
という話になって、その時に、
「2020年の大河ドラマが『麒麟がくる』で明智光秀なので、『謀反』に特化したものを書いてみませんか?」
ということになりました。
謀反というと悪いイメージですが、戦国時代は力で夢をかなえる時代で、
謀反を起こした武将が悪い人間たちかと言うと、必ずしもそうではないんです。
言ってみれば、自分の野望や夢をかなえるために必死に生きた人たちで、歴史にはそういった見方もあるんだよ、
というのを伝えたくてこの本を書きました。
「必死に生きて、必死に何かをする」
というのはこういうことなんだよ、という側面も持たしています。
大化の改心から源平の合戦、応仁の乱、みんなが好きな戦国時代、江戸時代から明治に至るまでの話も、全部、大好きです。
原一六四さん Youtubeより
「多面性を育ててくれるもの」
だと思うんです。
一般的な歴史は、勝者の歴史だけど、敗者から見た歴史もあります。
今回書いた書籍もそうですが、歴史は様々な側面から見ることができるんですね。
物事を多面的に見る力が養えます。
学校の授業は年号をはじめとした暗記の科目になってしまっています。
「歴史の授業って何の意味があるの?」
と思っている子供たちもたくさんいるでしょう。
でも、「多面性」の観点から歴史を子供たちに教えていけば、様々な力が養えます。
自分で歴史を調べていくと、そういった所がわかってくるのがとても面白いですね。
「どんなコンテンツが面白いだろうか?」
と考えています。
毎日そればっかり考えているので、アイデアとかが、どんどん浮かぶんです。
それがすごく楽しいですね。
やっぱり、やっていて自分が楽しいと思うことじゃないと、人に伝わらないと思うんです。
苦しいなと思ってやっていることは、人にも面白さは伝わらない。
コンテンツを考える時でも、自分が面白いこと、サービスを受けている立場で言えば、こういうのだったら面白いか、とかそういうのを考えてやっています。
すごく、楽しい仕事をやっている、という感覚ですね。
アイデアを出しても採用されなかったり、周りの人が乗って来なかったり、調整にばっかり時間がかかったり。
でも、好きなことをテーマにして副業をしていると、一人でやっている分、意思決定も早いですし、やればやるほど成果も返ってきます。
強いて言うと、城跡などをその土地で調べていると、自治体や博物館などに行って、
「実はこの城を調べているんです。詳しい方を紹介してください。」
とお願いすることがあるのですが、怪訝な顔をされることも多いです。
城跡を撮影していると、「勝手に映すな」と言われたり。
城跡に著作権はないんですけどね。
でも、それを言うとお終いなので、粘り強く交渉して、ようやく理解してもらえたことも多々ありました。
それをどうやって作っていくか。あと個人的に、好きなことだけに、
「歴史を、お金を稼ぐための道具にしているだけでは?」
と思わると悲しいので、オンラインサロンのお金の一部も、火災が起きてしまった首里城に寄付したりとか、城跡をジオラマで復元するお金に使って、自治体に寄贈したりしています。
「こういう城が建ってたの?」
「これは宝ですね」
と喜ばれます。
「今度、小学校に持っていきます」
となったりしてくれるんですね。
もちろん、販売権をもらって販売したりもしますが、地域に残すことで、その地域の活性化、子供たちの誇りにつながれば、これ以上、嬉しいことはありません。
ビジネスをする上では「大義名分」があるかないかは大事だと考えていて、それとビジネスをしっかりと両立させていきたいと考えています。
最初にお伝えした、人形劇を出したいと思っています。
全体では4,000万円でも、脚本を12分割にすれば、安く抑えられる可能性もあります。
それだったら、クラウドファンディングでも調達できるのでは?と考えて、今、運営の方と話をしていますし、
人形劇の方とも打ち合わせも、行っています。
また、構成も作らなければいけないので、作家さんに構成を依頼したりもしています。
でも、やはり問題は「時間」ですね。
何とか自分でやり繰りしていますが、これに集中してやれたらどれだけ幸せだろう?
と思います。
歴史は先人たちが残してくれた資源であり、未来の宝だと思っています。
少しでも長く活動し続けていきたいですね。
それよりも、
「自分にできることは何か?」
を発見し続けることが、続けるために重要だと思っています。
なので私は、
「歴史で何ができるか?」
を発見し続けていると思っています。
その日々の積み重ねですね。
ゴールは決めていますが、何ができるかを常に考えた積み重ねで行きたいと思っています。
【原 一六四さん】
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